スクロールの先にある旅路へ：AsiaPac、小紅書、OOH広告で中国人旅行者をマレーシアに引き寄せる戦略
10 Jul , 2025
スクロールの先にある旅路へ：AsiaPac、小紅書、OOH広告で中国人旅行者をマレーシアに引き寄せる戦略
ソウルからシンガポール、バンコク、東京とアジアの都市を駆け巡ったAPACセミナーツアーは、ついにマレーシアでフィナーレを迎えました。戦略と文化、デジタルと目的地が交差するこの地で、AsiaPacグループ、Big Tree Outdoor、小紅書の共催により、マレーシアのトップマーケターが一堂に会し、次の問いに挑みました。
急速に進化する中国人観光市場—出発前の観光客とどう接点を持つか
小手先の方法ではうまくいきません。デジタル中心の旅行計画が主流の今、重要なのは関連性、リーチ、共鳴により真の接点を持つことです。
マレーシアが今、観光の受け入れ態勢を整えるべきなのはなぜか
2025年第1四半期にマレーシアを訪れた外国人観光客は640万人以上。そのうち112万人以上が中国からの訪問者であり、中国人観光の本格的な回復を示す明確なサインです。ビザ免除措置や『Visit Malaysia 2026』キャンペーンにより、2026年までに500万〜700万人の中国人旅行者が見込まれています。
しかし、彼らは昔ながらの団体旅行者ではありません。
66％が25〜45歳：デジタルネイティブ、モバイルファースト、体験重視
56％が女性：旅行の意思決定における主要な役割を担う
69％が北京・上海などの一線都市出身
60％がパッケージツアーより個人旅行を好む
つまり、彼らは単なる観光客ではなく、ライフスタイルトラベラーであり、旅行の前・中・後すべてのプロセスを調べ、計画し、発信します。クアラルンプール（中国人観光客の50%以上が訪問）を筆頭に、ペナン、ランカウイ、コタキナバルといった新興観光地も注目を集めており、文化的な親しみやすさ、航空路線の充実、そして目的地ブランディングの強化によって、かつてない成長を記録しています。
小紅書：中国人旅行者が旅を始める場所
月間アクティブユーザー3億人以上を誇る小紅書（RED）は、若年層の中国人旅行者にとって旅行の発見・計画・KOL（インフルエンサー）情報収集の主要なアプリです。 小紅書グローバルのHelen Kwok 氏によると：
小紅書で「マレーシア」に関する投稿は90,000件以上
リアルな口コミとユーザー生成コンテンツ（UGC）が信頼を生む
KOLやブランドアカウントは、ローカライズされたSEOでさらに拡散可能
小紅書は、PinterestとTripAdvisorが合体したような存在。中国のモバイルファースト市場に最適化されたこのプラットフォームは、観光・ファッション・美容・飲食分野で特に重要なエントリーポイントとなっています。
OOH（屋外広告）：デジタル時代でも健在な広告形態
Big Tree OutdoorのStephanie Wong氏は、マレーシアにおけるOOH（屋外広告）がいまだに有効で、国内で2番目に成長しているメディアチャネルであると紹介。KLIA（クアラルンプール国際空港）、Pavilion（ショッピングモール）、主要交通ハブのビルボードは、中国人観光客が現地で意思決定をするタイミングに高い可視性を発揮しています。小紅書やOcean Engineのようなデジタルプラットフォームと組み合わせることで、OOH広告はオムニチャネル戦略の「軸」となります。それはまるで冷たいグラスに熱いテ・タリック（マレーシアのミルクティー）を注ぐようなもの。デジタルとフィジカルが融合するとき、マジックが起きます。
成功事例に学ぶ、統合型マーケティングキャンペーン
AsiaPacグループのXuan Leeが、中国人観光客の行動に基づいたフルファネル型キャンペーン事例を紹介：
Ocean Engine広告で「旅行志向」に基づきターゲティング
小紅書、WeChat、Baidu、OOHを横断するコンテンツ展開
モバイルファーストのクリエイティブ最適化
実際の予約数やエンゲージメントでROIを測定
この方法が効果的なのはどうしてか
中国の消費者はすでにEコマースに慣れており、利用率は75％に達しています（世界平均の21％と比べて非常に高い数値）。また、海外滞在中は85％がWeChat Payを利用しており、モバイル決済を日常的に活用しています。彼らが最も信頼している情報源は、ショート動画、ライブ配信、KOLであり、これらが中国市場での最も効果的なインフルエンサーマーケティングの手段となっています。
9都市で得た最大の学び：「オンライン × オフライン」の統合が鍵
香港、ソウル、台北、そしてクアラルンプールまで、すべての開催地で共通して語られたのは、「オンラインとオフラインの両方を活用しなければ成功しない」ということです。
小紅書のようなソーシャルメディアから、OOH広告による現地でのリアルな接点まで――優れたマーケティング戦略は、あらゆる段階で中国人旅行者とつながっています。
インスピレーション（小紅書、Douyin）
意思強化（空港・駅・都市のOOH広告）
予約・購入（WeChatミニプログラム、Ocean Engine、Ctrip）
こうしたチャネルは単体でも効果はありますが、それぞれに「獅子舞の頭・胴・太鼓」のように役割を持たせ、連携させるとき、忘れがたい体験が生み出されます。
終わりに
私たちはスクロールし、戦略を立ててきました。でも今こそ、「画面の中」から一歩踏み出し、実際の旅を動かす段階へと進む時です。いまの中国人旅行者は、受け身ではなく、自ら積極的に旅のインスピレーションを探しています。その瞬間、彼らがスクリーンショットを撮りたくなる存在――それを目指して自社ブランドを売り込みましょう。
出発前の中国人観光客の心をとらえるには？
ブラウジングをブッキングにつなげるには、Kooler AI、OptAdEasy、Kolsify、APHubといったツールの活用が鍵となります。AsiaPac グループはこれらのプラットフォームに加え、中国・香港・台湾にある現地拠点を通じて、デジタルとリアルを組み合わせた、成果に直結するキャンペーン設計をサポートしています。旅行は飛行機に乗る時から始まるのではありません。そのもっと前――スマートフォンの画面をスクロールする瞬間から始まっています。
そこから始まる旅路が貴社のブランドへとつながるよう、今大切な一歩を踏み出しませんか。
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